メニュー開発 2026年5月11日 約6分で読めます

ムスリム対応メニューの作り方【飲食店向け】

ムスリム対応メニューの作り方【飲食店向け】

「ムスリム対応メニューを作りたいが、何から手をつければいいかわからない」——そう感じている飲食店オーナーは多いです。実は、すべてのメニューを変える必要はありません。まず1品作って発信するだけで、ムスリム旅行者のアンテナに引っかかるようになります。この記事では、飲食店が今日から実践できるメニュー開発の手順を具体的にまとめました。

STEP 1:使用食材の棚卸しをする

最初にやるべきことは、現在使っている食材を把握することです。新しいメニューを作る前に、既存メニューのどれがハラール対応できるかを確認します。

棚卸しチェックリスト

  • 肉類:鶏肉・牛肉・羊肉はハラール認証済みか。豚肉・豚由来成分(ラード・ゼラチン)が混入していないか
  • 調味料:醤油・みりん・料理酒にアルコールが含まれていないか。ハラール認証済みのものに切り替えられるか
  • だし・スープ:豚骨・豚由来の出汁を使っていないか。かつお・昆布・野菜ベースに変更できるか
  • 加工食品:ソーセージ・ハム・ゼラチン入り食品に豚由来成分が含まれていないか
  • 調理器具・油:豚肉を調理した器具・油と共用していないか

この棚卸しをするだけで、案外そのまま使えるメニューが多いことに気づく飲食店が多いです。野菜料理・豆腐料理・魚介料理などは比較的対応しやすい傾向があります。

STEP 2:切り替えが必要な食材を特定する

棚卸しの結果、主に切り替えが必要になるのは以下の食材です。それぞれ代替品があります。

切り替え対象 代替品・対応方法
醤油 ハラール認証済み醤油(キッコーマン・丸十大屋・福岡醤油店など)に切り替え
みりん・料理酒 ハラール認証済みみりん風調味料(煮切り)、または砂糖+少量の米酢で代用
豚肉・豚骨スープ ハラール認証済み鶏肉・牛肉に変更。スープは鶏ガラ・昆布・野菜ベースに
ラード・豚由来の油 ハラール認証済み植物油に変更
豚由来ゼラチン 寒天・植物性ゼラチン(カラギーナン・ペクチン)に変更

STEP 3:1品目のハラール対応メニューを作る

最初から全メニューを変える必要はありません。まず1品、完全にハラール対応できるメニューを作ることが重要です。業態別の取り組みやすい1品を参考にしてください。

🍜 ラーメン・麺料理の場合

🍱 定食・和食の場合

🍺 居酒屋・ダイニングの場合

🏨 ホテル・旅館の朝食の場合

  • ハム・ソーセージ → ハラール認証済みチキンハム・チキンソーセージに変更
  • ビュッフェの一角に「Halal-friendly」コーナーを設置
  • ご飯・味噌汁・漬物・卵料理はそのまま提供可能なことが多い
  • 食材のアレルゲン情報・原材料を掲示するだけで信頼度が大きく上がる

STEP 4:メニューに正確な情報を表示する

ハラール対応で最も重要なのは誠実な情報開示です。「ハラール認証取得済み」でなくても、「豚肉不使用・アルコール不使用」を明示するだけで、多くのムスリム旅行者に安心して選んでもらえます。

メニュー表示の例

  • 🟢 Pork-free / ポークフリー 豚肉・豚由来成分不使用
  • 🟢 Alcohol-free / アルコールフリー アルコール不使用
  • 🟢 Halal certified / ハラール認証済み 第三者機関認証取得済みの場合
  • 🟢 Muslim-friendly / ムスリムフレンドリー 認証はないが配慮・情報開示している場合

表示はメニュー表・テーブルPOP・店頭のA看板・Googleマップの説明欄・SNSプロフィールなど、できる場所から始めましょう。

STEP 5:SNSとGoogleマップで発信する

ムスリム旅行者は来日前にSNS・Googleマップ・専用アプリで「食べられる店」を徹底的に調べます。対応していても発信しなければ存在しないのと同じです。

すぐできる発信アクション

  • Googleマップ:ビジネスプロフィールの説明欄に「ハラール対応」「Halal-friendly」と記載。メニュー写真を追加
  • Instagram:「#halalfoodjapan」「#muslimfriendly」などのハッシュタグをつけて料理写真を投稿
  • 自社サイト・食べログ:「ハラール対応」「豚肉不使用」「アルコール不使用」のキーワードを掲載
  • 英語表記:「Halal menu available」「Pork-free / Alcohol-free options」を追加するだけで海外からの検索に引っかかるようになる

まとめ:今日からできる5ステップ

  1. 食材の棚卸し 豚・アルコールが含まれる食材を把握する
  2. 食材の切り替え 醤油・みりん・肉類をハラール対応品に変更する
  3. 1品作る 完全ハラール対応のメニューを1品完成させる
  4. 表示する 「Pork-free / Alcohol-free」をメニューに明示する
  5. 発信する Googleマップ・SNSでハラール対応を告知する

ハラール対応は一度に完成させるものではありません。できることから始めて、少しずつ広げていくのが現実的で、続けやすいアプローチです。

食材の調達から、メニュー開発の相談まで

ハラール認証済みの醤油・みりん代替品・鶏肉・和牛など、
メニュー開発に必要な食材を小ロットから仕入れられます。
何から始めればいいかわからない場合はお気軽にご相談ください。

※ ハラールの判断基準は個人の信仰の度合い・出身国・宗派によって異なる場合があります。お客様への提供前に食材・製法を開示し、判断をご本人に委ねることをおすすめします。

コラムに戻る

関連記事