「ハラール対応って、コストばかりかかって売上につながるの?」そう思っている飲食店オーナーは少なくありません。しかし数字を見れば答えは明確です。訪日外国人の飲食消費額は約1兆7,460億円(2024年)。そのうちムスリム旅行者は世界最大級の旅行消費グループの一つです。ハラール対応は、まだほとんどの競合が手をつけていない、差別化の最前線です。
なぜ今、ハラール対応が売上に直結するのか
2025年の訪日外国人旅行者数は約4,268万人と過去最高を更新し、2026年もさらなる拡大が見込まれています。(出典:日本政府観光局 JNTO)
訪日客が日本を訪れる目的の第1位は「日本食を食べること」。飲食店は単なる食事の場ではなく、旅行前から目的として検討される重要なコンテンツになっています。
そのなかでムスリム旅行者は、グループ単位で行動し、食べられる店を徹底的に事前調査するという特性を持っています。1人が食べられない店にはグループ全員が入りません。逆にいえば、対応している店には複数人分の売上が一度に入ってきます。
(世界人口の約25%)
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(非OIC加盟国部門)
占める飲食の割合
競合との差別化:対応している店が「選ばれる」構造
訪日観光客はSNSやGoogleマップのレビューを事前に調べ、インバウンド対策が整っている店舗を選んで訪れる傾向が強くなっています。ムスリム旅行者はとくにこの傾向が顕著で、「Halal certified」「Pork-free」などのキーワードで店舗を絞り込んでから来店します。
つまり、対応を明示しているだけで検索に引っかかり、対応していない競合に流れる客を受け止めることができます。多言語メニュー・キャッシュレスといったインバウンド対策が普及しつつあるなか、ハラール対応はまだ多くの店が手をつけていない差別化ポイントです。
ハラール未対応の店に起きていること
- 「食べられるものがなかった」と口コミに書かれ、ムスリムコミュニティで避けられる
- グループ全員が他の店へ移動し、複数人分の売上を丸ごと失う
- ムスリム向け旅行アプリ・OTAのリストに掲載されず、存在を知られない
- リピーターにならず、SNS拡散も起きない
業態別:ハラール対応で変わること
「自分の業態に関係ある?」という疑問に答えるため、ラーメン・居酒屋・ホテルの3業態に絞って具体的に見ていきましょう。
🍜 ラーメン店の場合
🍺 居酒屋・ダイニングバーの場合
🏨 ホテル・旅館の場合
ハラール対応後に起きる変化
対応した飲食店に共通して起きていること
- ムスリム向けSNS・コミュニティで自然拡散され、新規客が増えた
- グループ来店が増え、客単価・テーブル単価が上がった
- 閑散期・平日ランチなど「埋まらなかった時間帯」に新客が入るようになった
- ムスリム向け旅行プラン・OTAとの提携につながった
- リピーターが生まれ、口コミで継続的に集客できるようになった
ハラール対応は「コスト」ではなく、まだ競合が少ない市場への先行投資です。始めるタイミングが早いほど、ムスリムコミュニティでの認知が積み上がり、リピーターと口コミが雪だるま式に増えていきます。
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※ 本記事に記載の統計データは各出典時点のものです。最新情報は各機関の公式発表をご確認ください。
出典:日本政府観光局(JNTO)2025年訪日外客統計 / 観光庁「訪日外国人消費動向調査」2024年 / Pew Research Center「The Global Religious Landscape」/ Global Muslim Travel Index(GMTI)2023